2009年09月

夕食後、外がまだ薄明るいので、ちょっと散歩をすることにしました。ホテルの横を通り、湖の方に向かいます。坂を下りながら振り返ってホテルを見上げると、今まで食事をしていたダイニングルームが明るく見えました。
ホテルのお隣、と言ってもいいようなご近所には、ごく普通の民家があります。小さな町に、みんな寄り添って生活している、という感じですね。窓からもれる電灯の光が暖かそうで、なんだかとてもステキです。
歌声が聞こえるので、そちらに向かいました。5分も歩かないうちに、小さなヨットハーバーが見えてきました。
向こうで思いっきり手を振っている人がいます

。気にもとめずに歩いて行くと、さらに盛んに手を振るので、よく見ると先ほど写真を撮ってくれたアメリカ人のご婦人二人連れでした。なんだ、私たちに向かって手を振っていたのか。失礼しました。
「こんばんは」と声をかけると、「小さな町ね」と応え、笑顔ですれ違って行きました。
湖に浮かべたはしけの上に作られたお店がありました。男性がギターの弾き語りをしています。先ほどの歌声はここから聞こえてきたようです。オープンエアでいい感じのお店です。みなさん、楽しそうですね。
空もようやく暗くなってきました。湖に目をやると、ちょうど、美しい月が顔を出したところです。
ヨーロッパでの最後の夜は、こうして更けていきました。


今晩滞在するシグチューナという町は、スウェーデンで最も古い町の一つだそうです。古い教会の廃墟や、スウェーデンで最小の市庁舎(一説には世界最小のタウンホール)など、面白そうなところも結構あるのですが、時間も無いので、近場を散策することにします。ここは、先ほどスーツケースをゴロゴロと引きずって歩いたメインストリートです。小さなバスターミナルから、私たちのホテルまで、かわいいお土産店やカフェが並んでいます。
しかし、大部分のお店は4時過ぎごろに早々と閉店してしまいます。ほとんどの人が、ストックホルムからの日帰り観光で訪れるらしく、そうした人たちが帰ってしまう時刻に合わせて、お店も営業を終えるようです。
せっかくだから写真を撮ろうとカメラを出すと、後ろから「撮りましょうか?」との声。アメリカ人のご婦人二人連れが親切に声をかけてくださいました。なんでもシグチューナにお友達がいるので、毎年訪れるそうです。うらやましいですね、と言うと、「素敵な街でしょう?」と力説されました。
横町に入ると窓辺に花を飾った家が並んでいます。夕陽が木の葉を照らして、静かないい雰囲気です。
湖に向かう小道には、こんな看板娘がいるお店がありました。後で調べてみると、Tant Brun(ブルンおばさん")という有名なカフェでした。お土産店などはしまっていましたが、カフェやレストランは営業していました。

すぐに湖岸の遊歩道に出ます。遊歩道の手前にはホテルの窓から見えた広い芝生の公園があり、家族連れがピクニックを楽しんでいました。水辺にはたくさんの水鳥。まったく人を恐れません。
目の前にメラーレン湖が広がっています。聞こえるのは風が木々を揺らす音と、かすかなさざ波の音だけ。湖面を見ていると、気持ちが休まってきます。
街並みの方を振り返ると、レストランのテラス席が目に入りました。楽しそうににぎわっています。湖を見ながらの食事もいいですね。そろそろおなかもすいてきたので、夕食をどうするか、考えなくてはなりません。短い散策を終えて、いったんホテルに帰ることにしました。


(前回までのあらすじ)
ガムラスタン散策を楽しんだamebouzu夫婦はストックホルムからシグチューナに向かうが、途中のメーシタまでの列車に乗り遅れる。ようやくメーシタに着いたが、バスに乗るためにあらかじめチケットを買う必要があることを知らず、バスの出発間際に売店まで走り、辛くもバスに乗りこんだ。
バスはしばらく広い道を走ったあと、住宅地に入っていきます。観光地などありそうもない雰囲気です。「バスで20分くらい」と聞いていたので、緊張して外の様子を観察していると、ちょうど20分ほどで小さなバスターミナルに着きました。近くのおじさんに「Sigtuna?」と聞くとうなづきます。やれやれ、やっと着いた。
バスのドライバーに、シグチューナに着いたら教えて、と言っておいたのですが、何故か何にもナシ。サービスは、The Bus の勝ちです。
バスターミナルに略地図があるのですが、疲れのためか頭が働きません。方角がつかめないのです。角のお店でホテルの方向を聞くと、「あっちよ。すぐ近く」と親切に教えてくれました。
すぐ近くと言っても200メートルくらいはありそうです。二つのスーツケースをごろごろと引きずって歩きます。みんなが珍しそうにこっちを見ているような気がして落ち着きません。
久しぶりの珍道中を楽しん(?)で、ようやく着いたシグチューナ・スタッズホテル。夕陽を受けて輝いて見えました。

(シグチューナ・スタッズホテルのホームページは

写真がキレイです。)
ドアを開けると、可愛いフロントデスクがあります。名前を告げると、ちゃんと私たちの予約がありました。もう、サプライズは無し。明朝7時半にタクシーを依頼します。朝食時間より早い出発になるのですが、私たちのために簡単な朝食を用意してくれるとのこと。朝食はあきらめて空港で何か食べるつもりだったので、ありがたいです。
ドアを開けると、淡いグリーンが基調のおもちゃ箱のようなキュートな部屋。広くはありませんが、素朴で温かい感じがします。居心地よさそう!
1909年創業のこのホテル、廊下にも部屋にも木がふんだんに使われています。窓枠も木製。シンプルなデザインの調度もいい感じです。
いたるところに創業年の「1909」を表示して100周年をアピール中ですが、つい最近リノベーションを行って、不便は感じられません。テレビも最新式の液晶。私たちは使いませんが、無線lanも完備しているそうです。テレビの下の木製キャビネットに冷蔵庫が入っています。左に見えるのはクローゼットです。


東京ビッグサイトで行われた、世界旅行博に行ってきました。モチロン、第一のお目当てはハワイ!と言いたいところですが、今回は違ったのです。
会場奥のステージで、ワールドトラベルクイズの決勝戦が行われていました。このイベントでMCをしていたお二人が今回のお目当て、イザベルとベネです。
アロハ天国を放送しているEXエンタテイメントというCSチャネルに「ガムシャラ旅行団」という番組があります。二人はこの番組で、シルクロード、メコン、チベットなど、どちらかというとハードな地域をバックパック背負って旅します。時には苦闘しながらも持ち前の明るさでかろやかにこなし、各地で素敵な出会いを経験しながら旅を続けます。こんな番組です。
ちなみに今は、クロアチア編が放送されています。
司会の仕事が終わってステージ横に出てきたベネに話しかけます、イザベルも出てきてくれました。二人のCDを買って、写真撮影
。番組を見ていると話すと喜んでくれましたが、わたしも大喜びです。
「ホテルの客引きとかにいつもついて行って決めちゃうので心配なんだけど、だまされたこと無いの?」と聞くと、イザベルは「だまされたこと、無いんですよ。私たちが単純だからかえってだまされないのかも知れません」と答えてくれました。それだけじゃないと思いますよ。他人を疑わないオープンな心が、現地の人たちの素朴な善意と共鳴して、素敵な出会いをもたらしてくれるのでしょう。
これで、今回の旅行博の目的を達した気分になったのですが、せっかく来たのですから各地のブースを見て回ります。そのうちにおなかがすいてきました。ホテルグルメのコーナーでみると美味しそうだったので、ちょっとフンパツしてフォアグラ丼(1500円)にしました。

フォアグラは舌の上でとろけます。ほんとに美味しい。だけどどう見ても「丼」は誇大表示でしょう。「フォアグラのフライドライス添え」くらいの量で、あっという間に完食。少し物足りません。
いいタイミングでハワイ州のブースに戻り、イベントステージの前に陣取って次のイベントを待ちます。パラダイス・コーブ・ルアウのメンバーによるフラ・ショーです。ミュージシャン二人とダンサー三人でエネルギッシュなパフォーマンスです。

目の前70センチメートルの熱演に圧倒されます。

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今回の旅の最後の夜、スウェーデンでの一泊はメラーレン湖のほとりの町、「シグチューナ」にある「スタッズホテル」です。明朝は帰国なので、アーランダ国際空港に近いホテルを探し、ホームページが素敵だったので決めたのですが、町についてもホテルについても、あまり予備知識はありませんでした。(シグチューナ・スタッズホテルの
ホームページは
)
シリヤラインのインフォメーションで、ストックホルムからシグチューナへの列車の時刻表をプリントしてもらっていました。列車で20分ほどのメーシタという駅で降り、そこからバスでシグチューナに向かいます。
切符売り場です。銀行の受付のように、順番の札を取って待つのですが、前に30人くらい居ます。予定した列車の時刻も迫り、ジリジリしながら待っているとようやく順番が来ました。「走らなくちゃいけないけど、大丈夫?」と聞かれましたが、まだ数分あるはずなのでその列車の切符を購入。
ホームが分からず、ちょっと手間取りましたが、なんとかホームに辿り着き、改札の女性に「シグチューナ行き」と言うと「今、出たところ」との答え。え、そんなバカな、と思って切符の時刻を確認すると、インフォメーションでもらった時刻は実際より遅いのです。

ホームの女性駅員は、「ローカル電車でも行けるけど、時間がかかるわよ。次の列車(一時間後)に切り替えてあげる。」と、親切に対応してくれました。
がっくり肩を落としてベンチにへたり込みます

。重大事ではないのですが、早速失敗したことにちょっとがっかりです。しばらく気落ちしていたのですが、気を取り直して売店でサンドイッチを買い、軽いランチにしました。美味しかったのでちょっと元気も出てきました。
一時間後、今度はちゃんと乗れました。ウキウキして列車をバックに二人で写真を撮り合っていると、さっきの女性駅員が列車をバックに写真を撮ってくれました

。「前のほうの車両に乗りなさい」というので、先頭車両まで延々と歩いてきました。200メートル以上ありそうです。
列車はウプサラ行き。北欧最古の大学、ウプサラ大学がある古都ですね。メーシタは次の駅のようです。列車はかなりな速度で突っ走ります。
メーシタ駅に着きました。20人ほど降りただけでした。大きなスーツケースを引きずっている私たちを見て、同じ車両に乗っていた女性が「アーランダ空港へ行くの?」と聞くので「シグチューナです」と言うと「あそこからバスが出るわよ」と親切に教えてくれました。


ストックホルム港からシャトルバスでストックホルム中央駅に着きました。昨日までは、お友達に案内されてリラックス度200%のフィンランド旅行でしたが、スウェーデンでは個人旅行モードへ切り替えです。駅のコインロッカーにスーツケースを預け、行動準備完了です。(以下、写真多数デス

)
駅から10分ほど歩くと、ガムラスタン(旧市街)のある、スターズホルメン島が見えてきます。橋を渡ると、
目の前に、大きな石造りのゲート。
ゲートをくぐると、圧倒されるような石造りの建物。城砦都市という感じですね。
左右を見回しながらしばらく進むと、王宮前広場に出ます。この広場で行われる衛兵の交代が人気なのですが、今日は王宮内のツアーに参加するつもりなので、見られません。
その代わり、入口に立つ衛兵を撮影。王宮の入口何箇所かにこうした警備ボックスがあり、衛兵が直立不動で立っています。観光客が四方八方からカメラを構えます。
近くに観光客が居ない一瞬を狙って激写(?)、カメラを構えると、こちらを見てカメラ目線を送ってくれました。
王宮の脇には、周囲の建物が美しい、ストールトルゲット広場があります。青空の下、観光客がベンチでくつろいでいますが、この広場には権力争いの凄惨な舞台となった歴史もあります。
王宮ツアーは写真撮影禁止なので写真ナシ。素晴らしい調度などを堪能して外に出ると、ちょうど衛兵の交代が終わったところらしく、軍楽隊のメンバーが帰り支度をしていました。ドラムのお兄さんに2ショットをお願いすると快く応じてくれました。カメラを構えるとバチっとポーズを決めます。
旧市街をぶらぶら歩きます。残念ながら時間がないので、ストックホルム大聖堂も外からチラと見ただけ。
繁華街は観光客でいっぱい。アイスクリームショップやおみやげ物屋に交じって、古地図を売っているお店などもあります。
お土産物屋で見つけたTシャツ。男女間の機微を表しているようです。
建物の下がトンネルになった通り。
面白いので、何の気なしに撮った細い坂道。後で調べてみると、ガムラスタンで一番道幅が狭い(90cm)モーテン・トリチグス・グレン通りとのことでした。
坂道のカフェ。他にも、素敵なカフェがいくつもありました。でも、混んでいて空席がない、時間があまりない、朝食べすぎておなかがすいてない、と、ないないづくしだったので、次の目的地に向かうため、ストックホルム中央駅に戻ることにしました。面白そうなところがいっぱいあったので、ちょっと後ろ髪引かれる思いです。


さて、朝食です。私たちのチケットには朝食が含まれており、オプションで付けた昨晩のレストランより、ちょっとばかり高級なレストランが指定されています。

魚、魚卵、ハム、野菜、チーズといったコールド系のものはこちら。美しく盛り付けられています。
こちらには、ソーセージやベーコン、ポテト、スクランブルドエッグといったホット系の食べ物が並んでいます。
ハワイのホテルの朝食バフェに、魚介類とベリーなどのフルーツが豊富に追加されたという感じです。
早めに出向いたので、窓際(海際)の席をゲット。あまりにいいお天気で、ちょっとマブシイ。でも、青い海と空、島々の深い緑という景色を見ると、食事も一層美味しく感じます。
ベリーをたらふく食べられるのもこれが最後のチャンスかも。シリアルとヨーグルトとともに、どっさりとお皿に盛りつけました。
胃袋のキャパでハンデがあるame妻も、ベリーは外せません。一緒にお皿に乗っている丸いものは、ココナッツをまぶしたクリームケーキ。ちょっと味見させてもらいましたが、これまた美味しかったです。
到着までまだ少し時間があります。腹ごなしにサウナに入りました。ここでようやく本場のサウナを体験。フィンランドでお世話になったライコネン家(仮名)のお宅では、サウナルームは建設途中だったのです。シリヤラインのサウナルーム、さすがに本格的なもので、心地よく発汗してくつろぎました。サウナで熱くなったら、
外のプールで身体を冷やします。朝っぱらからサウナに入る人は少ないようです。サウナもプールもガラガラで、快適に利用させていただきました。サウナに出たり入ったり、いい気分で過ごすうちに、そろそろ下船の時刻も近付いてきました。部屋に帰って荷物をまとめます。
出口に向かう途中、持ち場に急ぐムーミンを発見。追いかけて写真を撮ったのですが、すごい勢いで歩いて行くので追いつけませんでした。ゲートで下船する乗客を見送ってくれるようですね。最後まで船旅を楽しませてくれる、洒落た演出でした。さあ、いよいよスウェーデン上陸です。


シリヤ・シンフォニー号のキャビンで快適な一夜を過ごしました。気持ちよく目覚めてカーテンを開け、外を見ると…、
「!」
窓のすぐそば、手が届きそうなところを島々が通り過ぎていきます。早速カメラをつかんで展望デッキへ向かいます。スウェーデンの沿岸、島々が複雑に入り組んだところを、船は静かに進んでいます。
おもちゃのように可愛い家が、森の中や水辺に立ち並んでいます。船は狭い水路をゆっくりと進みます。
家の前には小さな船着き場と船が見えます。自分で船を操縦して本土と通っているのでしょうか?
結構大きな家が多いのですが、深い森の中ではおもちゃの家のように見えます。
いくぶん大きな船着き場に客船が泊っています。ここは小さな観光地のようですね。奥に見えるのは、ホテルかレストランのようです。
早朝なので甲板は人もまばら。こんな素敵な景色なのに見ている人はほとんどいません。きっとビールを飲んで夜更かしし、朝寝をしているのでしょう。モッタイナイ話です。後ろを振り返ると、シリヤラインと同じ、ヘルシンキ―ストックホルム航路のヴァイキングラインの大型フェリーが見えました。水路の幅がよくわかります。大型フェリーの前を、島と島を結ぶ渡し船が横切ります。
いつまでも見ていたいのですが、そろそろ朝ごはんの時刻です。



その昔、好きなものを好きなだけ食べる北欧のスモーガスボードを、帝国ホテルが「インペリアル・バイキング」というレストランで取り入れたそうです。そこから、日本では、食べ放題のシステムを「バイキング料理」と呼ぶようになりました。
シリヤ・シンフォニーのメインレストランも、当然「食べ放題」です。
指定された時刻に行くと、幸運なことに窓際の席でした。早速料理を取りにいきます。私は、まずは冷たい魚料理から。いろんな種類のニシンの酢漬け、エビ、イクラにトビコでお皿が一杯になっちゃいました。
お肉大好きなame妻は、コールドミートと生ハムがメインの一皿。それでもサーモンと魚のパテは忘れません。
ローストビーフもリクエストに応じてカットしてくださいます。
ソーセージやシチューといった温かいお料理も豊富です。このほかにも、サラダ、チーズ、各種のデザートなど、「これでもか」というほど取り揃えられています。
酒飲みが泣いて喜びそうなのはコレ!ドリンクバーにはビールのサーバーがあり、自由にビールを注げます。テーブルの上には最初から赤白のテーブルワインのボトルが置いてあり、もちろん自由に飲めます。とはいえ、あまり飲んでると食べられない…。ゼイタクな悩みに身もだえしそうです。
食事をゆっくり楽しんで、ふと時計を見ると8時40分。窓からは西日が眩しく差し込んできます。
時計と言えば、船内の時計には短針が2本あります。フィンランド時間はスウェーデン時間より一時間進んでいます。フィンランド発の便は、出港日の最終営業までフィンランド時間、その後、スウェーデン時間に切り替わります。スウェーデン発の便は逆です。短針にフィンランドとスウェーデンの小さな旗が付いています。
食後、展望デッキに出てサンセットを眺めました。太陽が沈んだのが9時半過ぎ。もしこれがハワイなら、ミュージシャンとフラダンサーは連日超過勤務です。
船内に戻ると、そろそろ10時というのに、プロムナードデッキはまだまだ賑わっています。
キャビンに帰り、窓の外を見ると、月が昇っていました。月の光が海に映えて美しいです。スパークリングワインで乾杯し、バルト海でしばしお月見です。
